遺族に遺せるものは何だろう?粋な終活の仕方とは
人生100年時代の戦略が書かれた書籍「ライフシフト」に代表されるように、昔に比べ長生きする中で多様な選択肢を選べるようになりました。半面、人生の最後までその選択を生前・生後含め自分自身で意思決定するのは困難です。心身の機能が低下し最終的に死にいたるまで、生活および死の質をいかに確保するのか、粋な終活方法をご紹介します。
終活を始めるタイミング
終活というと退職し老後生活を過ごす中で死を意識し始めたとき、もしくは余命宣告されたときにするものだと思っていませんか。しかし法律や規則などにそのような決まりはありません。終活をスタートするのは人それぞれタイミングがバラバラでよいのです。
「自分の人生をいったん整理してみよう」「書籍やセミナーを通じ終活やエンディングノートに興味をもったので少し書いてみよう」などのきっかけも立派な始めるタイミングです。
人生のターニングポイントで行うケースが多い
冒頭で終活を始めるタイミングは自由だと書きましたが、多くの人はどんな時に終活をスタートするのかは気になるところ。そこで一例を紹介します。
一般的に就活を始めるタイミングとしていわれるのは、退職や各長寿祝いの年齢に達したタイミングなどです。人生の節目のタイミングでこれまでの人生を振り返る機会として、また配偶者や息子、娘などから万が一不測の事態が生じた場合に備え半強制的に始めるケースなど、パターンはいろいろあります。加えて末期ガンなどで余命〇年と宣告されたなど、必要に迫られて終活を始める人も一定数います。
20~40代の若い世代でも終活をする人もいる
人生まだまだこれからという若い世代でも将来を見据え、老後にどういった生活をしたいかから逆算し、生命保険・年金・貯蓄・投資でどう老後資金を工面していくか、エンディングノートを活用し見える化するケースがあります。
また、30代に入ると結婚・出産・転職といった機会、40代になると両親の介護や人の死と向き合う機会に遭遇するケースも多くなり、それらを通じ自分のこれまでの人生、および今後の人生を考えることで終活を始める人も一定数存在します。
遺書・エンディングノートを作成しておく
死の間際・死後は、本人はもちろん、残された家族にも一定の負担を背負わせることになります。来たる「死」に備え遺書・エンディングノートを作っておくなど、事前準備をしておくことで遺族への負担の軽減につながります。
遺書に書く内容
一般的に遺書には、関係者への感謝の気持ちや死後遺族にお願いしたいことなどを書きだしておきます。なお遺産分与の方法など法的拘束力が発生するものに関しては「遺言書」に書くことになります。
エンディングノートに書く内容
自分の死後、家族の負担軽減につながるエンディングノート。そのノートには、遺族や関係者に伝えておきたい情報や希望を書き残しておくことが大事です。具体的にどういったことを書いていくかというと、自分のプロフィール、交友関係、健康状態、保有資産、葬儀やお墓にかんする希望事項、遺すべき資料やデータの内容などが挙げられます。
なお、エンディングノートは遺言書と違い、法的拘束力をもたないため、医療や介護など生前の希望を書きだすことは当然できますし、裁判所などの許可なく死後遺族などがエンディングノートを開封し、内容を確認することも自由にできます。
生前整理をしておく
最近では20~30代といった若い世代でも行っている人がいる「生前整理」も粋な終活につながるポイントの1つです。
生前整理の概要
存命中に自分の所有物や財産などを整理し、遺族が処分に困るものや将来的に不要になりそうなものを事前に処分することが生前整理です。
生前整理はこれまでの生活を見直すことにもつながり、今後の人生を考えることに直結することから、終活と深いつながりがあります。生前整理は気力・体力を使うため、生前整理をしようと思ったタイミングから少しずつはじめましょう。
生前整理で整理すべきもの
生前整理では「形あるもの」「電子機器」を中心に整理しましょう。「形あるもの」では、趣味にかんするものはもちろん、衣服や食器など生活必需品も、今使っているもので死後に処分するのか、現在も今後もまったく使う予定がないので近日中に処分するなど、パターン分けして整理します。
また「電子機器」では、パソコンやスマートフォンなどのハードウェアはもちろん、SNSやショッピングサイトなどの個人情報の処理を適切に行う必要があります。まったく使っていないサービスは家族などの助けを借りつつ解約などを進め、現在使っているサービスに関しては死後遺族など信頼できる人にしっかり対応してもらうことが大事です。
できる限りの生前対策をしよう
これまでで紹介してきた通り、安心した老後や死を迎えるために「生前対策」を駆使した終活が重要です。
体も心も元気なうちに、自分はどういった人生を送りたいのか希望をしっかり整理し、自分の財産や遺産状況、相続税や贈与税などの税金面も考慮にいれつつ、専門家や家族の力を借りながら生前贈与や遺言、任意後見など複数の選択肢の中から自分の希望を叶えられるものを選択していきましょう。
まとめ
いかがでしたか。自分や遺族のことをしっかり考え、元気な生前のうちからできることを進めていくことが、粋な終活につながります。当情報が終活の際役に立てば嬉しい限りです。