意外と面倒?相続放棄するメリット・デメリット

公開日:2023/07/15   最終更新日:2023/06/02

メリット・デメリット

相続は必ずしなければいけないもの、そんなイメージはありませんか?ですが、相続は放棄することもできます。今回は、相続放棄のメリット・デメリット、相続できないケースを見ていきます。相続は、プラスの遺産を相続できますが、マイナスの遺産も相続する場合もあります。借金を相続してしまった場合、相続放棄以外の方法も見ていきましょう。

相続放棄のメリット・デメリット

相続とは、故人から受け継ぐ、大切な財産です。家や、土地、現金など、相続するものはさまざまです。

プラスの財産が相続できれば、うれしいものですが、場合によっては、マイナスの財産を相続する可能性もあります。

相続放棄のメリットとしては、負の財産である、借金を相続しなくてよくなることがあげられます。

それと同じようなことですが、老朽化した住宅などもよく考える必要があります。

老朽化しているとはいえ、住宅なので住むことも可能ですが、そのためのリフォームが必要になる場合や、建て替える場合はその費用、また、保持のために固定資産税など、相続することで発生する費用もあります。

その場合は、維持できる経済力があるかどうか考えてから、相続する必要があります。

また、遺産相続でよくあるのが、遺産の分け方をめぐるトラブルです。普段、仲のよい親族だとしても、遺産相続になると意見が合わず、もめてしまうこともあります。

遺産相続を放棄することで、そういったトラブルの回避ができます。

相続放棄のデメリットとしては、プラスの財産の場合でも、相続できなくなることや、相続の放棄は撤回できないため、途中で気が変わっても相続できないという点があります。

マイナスの財産しかないと思って、簡単に放棄してしまうと、後々、後悔する可能性もあるので、しっかりと確認することが必要です。

また、死亡保険や死亡退職金は受け取れますが、非課税枠は、相続放棄してしまうと使用できなくなるので注意しましょう。

相続の放棄は、メリットもありますが、デメリットもあることを覚えておきましょう。相続問題は、トラブルになりがちですが、見極めも必要です。

放棄できないケース・困難なケースがあるので注意

相続放棄には、実は期限があります。期限は、相続開始を知った日の翌日から3か月になります。その間に放棄する場合は、家庭裁判所で手続きが必要です。

故人と疎遠になっていた、海外にいて知らなかったという場合もあるので、相続を知った日から、換算されているのです。

また、財産の一部を処分したり、使ったりしてしまうと、相続の放棄ができなくなります。

処分や使用は、相続を認めることになってしまいますので、相続放棄を考えている人は注意しましょう。

そのほかに、相続する予定だった人が、相続放棄をしてしまうと、第二の順位の相続人に相続権利がうつります。

この場合も、相続人になったことを知った日から3か月になります。この3か月を過ぎてしまうと、放棄はできなくなるので注意しましょう。

また、所定の手続きを行うことで延長可能になります。相続の放棄は、説明したように、プラスの財産も放棄してしまうことになります。

そうなることで、考えられる大きな問題点としては、被相続人の住宅に住んでいるケースです。

この場合、相続を放棄してしまうと、住宅に住めなくなってしまうということになります。

新たに住む場所を探さなければいけなくなってしまうので、とても大変なことになります。

相続の放棄については、そういった点も見逃さないようにしましょう。また、それも了承のうえで、放棄する場合は、今後の生活の目処をたてておきましょう。

相続を放棄する以外に借金整理の方法はある?

もし、マイナスの遺産である、借金を相続するしかない状況になった場合は、どのように解決したらよいのでしょうか。

プラスとマイナスの遺産がある場合は、プラスの遺産を売却し、借金の返済にあてることができます。

こうすることで、マイナスの遺産がなくなる場合や、マイナスの遺産を減らすことができます。

そのほかには、「限定承認」という方法があります。この方法は、プラスの財産までのマイナスの遺産を相続するという方法です。

この方法は、家庭裁判所の手続きが必要なので、早めから取り掛かることが大切です。

また、限定承認には、相続人、全員の同意が必要になります。もし反対する人がいれば、意見がまとまらず、話し合いになるかと思います。そうなった場合にも、時間を要するので、早めからの話し合いが大切になります。

まとめ

遺産の相続は、一見すると、とてもよいイメージですが、遺産はプラスの遺産だけではなく、マイナスの遺産や、マイナスになりかねない遺産もあることを覚えておきましょう。もし、マイナスの遺産を相続することになってしまった場合も、焦らず、どのような方法が借金返済に有効かしっかりと考え、判断しましょう。とくに、現在住んでいる住宅の相続の場合は、相続の放棄をしてしまうと、住むところがなくなってしまうということも、頭に入れておきましょう。また、相続の放棄は、撤回ができないため、その点も含めて、慎重に判断する必要があります。もめたくないからと言って、安易に放棄はしないようにしましょう。

おすすめ関連記事

検索

【NEW】新着情報

相続に関するトラブルは、単なる金銭の問題にとどまらず、その後の人間関係に不和が生じることもあるデリケートな問題です。相続トラブルを防ぎ、円満に進めるにはどうすればいいのでしょうか。相続トラブ

続きを読む

相続トラブルは、誰でも起こりうることです。また遺産額に関係なく発生してしまうため、穏便に進めていくためにはきちんと話し合う必要があります。 それでも揉めてしまう場合は、相続に強い税理士事務所

続きを読む

税理士事務所は、相続や借金問題、成年後見など、身近な暮らしのトラブルを解決してくれる法律家です。 しかし、ひと口に税理士事務所といってもさまざまで、特徴・費用・相性なども異なります。どこを選

続きを読む

税理士事務所といっても、たくさんの数があり選ぶ際に迷ってしまう方も少なくないでしょう。相続などの悩みを税理士事務所に相談する際は、しっかりと課題が解決できるような税理士事務所に相談するのが理

続きを読む

デジタル資産の普及が進むなかで、相続に関する問題も増えてきました。仮想通貨やNFTなどのデジタル資産は、従来の資産とは異なる特性を持っています。この記事を読んでいる方のなかで、デジタル資産を

続きを読む

ペットは家族の一員として多くの家庭で大切にされています。しかし、ペットの飼い主が亡くなった場合、そのペットはどうなるのでしょうか?親族のどなたかが引き取るほか、相続するにはどうするべきでしょ

続きを読む

札幌でおすすめの遺産相続に強い税理士事務所を3件紹介します。遺産相続は、難しい問題です。いざ自分が直面するとわからないことが多いでしょう。そんなときに頼れる税理士事務所を知って、手続きをスム

続きを読む

相続税とは、亡くなった親や親族などから財産を受け取った際に、発生する税金のことです。相続税の額や支払う条件は、それぞれ個人のケースによってさまざまなため、一般の方にはなかなか理解しにくい場合

続きを読む

生前贈与は実際に手続きを行うとき、どのような手順で進めるのかわからないことが多いです。どこに相談してよいかなど、わからないことが多く、あたまをなやませている方は少なくないでしょう。そこでこの

続きを読む

親や配偶者から財産を相続する際は相続税が発生します。しかし、相続税額を知らずに財産を相続すると、予想以上の納税額が発生して多額の税金を支払わなければならなくなる可能性があります。そのため、専

続きを読む