意外と面倒?相続放棄するメリット・デメリット
相続は必ずしなければいけないもの、そんなイメージはありませんか?ですが、相続は放棄することもできます。今回は、相続放棄のメリット・デメリット、相続できないケースを見ていきます。相続は、プラスの遺産を相続できますが、マイナスの遺産も相続する場合もあります。借金を相続してしまった場合、相続放棄以外の方法も見ていきましょう。
相続放棄のメリット・デメリット
相続とは、故人から受け継ぐ、大切な財産です。家や、土地、現金など、相続するものはさまざまです。
プラスの財産が相続できれば、うれしいものですが、場合によっては、マイナスの財産を相続する可能性もあります。
相続放棄のメリットとしては、負の財産である、借金を相続しなくてよくなることがあげられます。
それと同じようなことですが、老朽化した住宅などもよく考える必要があります。
老朽化しているとはいえ、住宅なので住むことも可能ですが、そのためのリフォームが必要になる場合や、建て替える場合はその費用、また、保持のために固定資産税など、相続することで発生する費用もあります。
その場合は、維持できる経済力があるかどうか考えてから、相続する必要があります。
また、遺産相続でよくあるのが、遺産の分け方をめぐるトラブルです。普段、仲のよい親族だとしても、遺産相続になると意見が合わず、もめてしまうこともあります。
遺産相続を放棄することで、そういったトラブルの回避ができます。
相続放棄のデメリットとしては、プラスの財産の場合でも、相続できなくなることや、相続の放棄は撤回できないため、途中で気が変わっても相続できないという点があります。
マイナスの財産しかないと思って、簡単に放棄してしまうと、後々、後悔する可能性もあるので、しっかりと確認することが必要です。
また、死亡保険や死亡退職金は受け取れますが、非課税枠は、相続放棄してしまうと使用できなくなるので注意しましょう。
相続の放棄は、メリットもありますが、デメリットもあることを覚えておきましょう。相続問題は、トラブルになりがちですが、見極めも必要です。
放棄できないケース・困難なケースがあるので注意
相続放棄には、実は期限があります。期限は、相続開始を知った日の翌日から3か月になります。その間に放棄する場合は、家庭裁判所で手続きが必要です。
故人と疎遠になっていた、海外にいて知らなかったという場合もあるので、相続を知った日から、換算されているのです。
また、財産の一部を処分したり、使ったりしてしまうと、相続の放棄ができなくなります。
処分や使用は、相続を認めることになってしまいますので、相続放棄を考えている人は注意しましょう。
そのほかに、相続する予定だった人が、相続放棄をしてしまうと、第二の順位の相続人に相続権利がうつります。
この場合も、相続人になったことを知った日から3か月になります。この3か月を過ぎてしまうと、放棄はできなくなるので注意しましょう。
また、所定の手続きを行うことで延長可能になります。相続の放棄は、説明したように、プラスの財産も放棄してしまうことになります。
そうなることで、考えられる大きな問題点としては、被相続人の住宅に住んでいるケースです。
この場合、相続を放棄してしまうと、住宅に住めなくなってしまうということになります。
新たに住む場所を探さなければいけなくなってしまうので、とても大変なことになります。
相続の放棄については、そういった点も見逃さないようにしましょう。また、それも了承のうえで、放棄する場合は、今後の生活の目処をたてておきましょう。
相続を放棄する以外に借金整理の方法はある?
もし、マイナスの遺産である、借金を相続するしかない状況になった場合は、どのように解決したらよいのでしょうか。
プラスとマイナスの遺産がある場合は、プラスの遺産を売却し、借金の返済にあてることができます。
こうすることで、マイナスの遺産がなくなる場合や、マイナスの遺産を減らすことができます。
そのほかには、「限定承認」という方法があります。この方法は、プラスの財産までのマイナスの遺産を相続するという方法です。
この方法は、家庭裁判所の手続きが必要なので、早めから取り掛かることが大切です。
また、限定承認には、相続人、全員の同意が必要になります。もし反対する人がいれば、意見がまとまらず、話し合いになるかと思います。そうなった場合にも、時間を要するので、早めからの話し合いが大切になります。
まとめ
遺産の相続は、一見すると、とてもよいイメージですが、遺産はプラスの遺産だけではなく、マイナスの遺産や、マイナスになりかねない遺産もあることを覚えておきましょう。もし、マイナスの遺産を相続することになってしまった場合も、焦らず、どのような方法が借金返済に有効かしっかりと考え、判断しましょう。とくに、現在住んでいる住宅の相続の場合は、相続の放棄をしてしまうと、住むところがなくなってしまうということも、頭に入れておきましょう。また、相続の放棄は、撤回ができないため、その点も含めて、慎重に判断する必要があります。もめたくないからと言って、安易に放棄はしないようにしましょう。