家族に負担をかけたくない!相続税を減らすには?
次世代に大切な財産を引き継ぐためには「相続手続き」に臨む必要があります。しかし、相続の発生は事前に予見できるものではありません。ある日突然のご逝去によって、家族が相続に翻弄されてしまう可能性もあります。そこでこの記事では家族が安心して相続に臨めるように、相続税対策に関して紹介します。未来のためにぜひご一読ください。
日本の相続税は世界一高い?
ご自身の財産を次世代に引き継ぐ、あるいは大切な配偶者に残すためには、相続税に関して生前の段階からしっかりと知識を持つ必要があります。しかし、相続財産に関しては一定の基準を超えると、国に対して相続税を納付する必要があります。実はこの相続税が大変厄介な存在なのです。
世界各国の中では相続税すらない国も多く、近年経済成長率が高く日本からの移住が人気のシンガポールでは相続税の制度がありません。このほかにも、移住の希望が多いオーストラリアやカナダも相続税の制度がなく、魅力的な国であると知られています。
一方の日本は、驚くほど高い相続税の制度を運営しています。相続税の納付はすべての相続に発生しているわけではないですが、近年じわりと納付率は増加しています。
2021年段階ではOECD加盟国での相続税率は日本が1位を独走しており、次いで韓国が高い相続税率を維持しています。こうした順位による評価が「世界一相続税が高い」といわれるゆえんです。
ではどうして日本はこれほどまでに高い相続税率を維持しようとするのでしょうか。財務省によると、相続税制度は税の再分配のために維持されています。相続税をきっかけに少しでも税金によってそのほかの方の補償へと分配するためです。
相続税の節税のためにできること
国民への再分配が目的とはいっても、家族で大切に蓄積してきた大切な財産はできる限り次世代の親族へと引き継ぎをしたいものです。では、相続税の節約を目指すためには何かよい方法はあるのでしょうか。この項では相続税の節税テクニックを紹介します。
贈与の制度を活用する
相続税対策としてよく知られている贈与の制度は、生前の段階から財産を譲渡できる制度です。110万円の範囲であれば贈与税がかからないため、親から子に対して少しずつ贈与を進めていけば、贈与税を回避しつつ相続税の対策にもなります。
しかし、定年贈与を疑われないためにも、税に関して相談を行った上で贈与を進めていくことが大切です。また、贈与とはあくまでも当事者間の契約が前提にある制度のため、名義預金は避けることが大切です。
賃貸物件の購入
近年全国には多くのアパートやマンションが見られるようになりました。実はこの賃貸物件の増加は相続税対策の一環が背景にあります。現在お持ちの土地の上に賃貸物件を建てることで相続税の軽減につながります。
但し、あまりにも不便なところに無理やり物件を建ててしまうと、負の遺産を相続させてしまうことがあるので、利益率にもしっかりと目を向けた上で購入をする必要があります。
生命保険の活用
相続税対策のスタンダードな方法として、生命保険の活用も知られています。一部の生命保険には非課税枠が設けられているため、保険選びの際には相続にも視野に検討をすることがおすすめです。
生命保険の受取人は相続人以外に指定することも可能なので、相続とは別に相続人にはなれない内縁関係の方や養子縁組をしていない連れ子の方にも財産を適切にお渡ししたい場合にも活用できます。
養子縁組
古くから日本の相続では養子縁組の制度も活用されてきました。相続税回避を避けるために非課税枠が制限されています。1人当たり600万円まで、対象者は最大2名です。とくに再婚を経て、連れ子の方に財産を、と検討している場合には養子縁組をすることがおすすめです。
相続税・相続対策は早めに税理士に相談しよう!
上記では相続税対策のためにできることをわずかですが紹介しました。しかし、ここで触れた相続税対策は一部に過ぎません。また、贈与にもさまざまな定めがあり、非課税枠内の贈与ではなくあえて贈与税を支払うことで一度に贈与を完了させる方法もあります。
また、事業の継承をいずれ行う必要がある場合には、早くから事業の帳簿内を整理し、役員貸付金や役員借入金の状態を踏まえながら相続に備えていく必要があります。帳簿の状態によっては、会社の役員の死去時に思わぬ負債が発生することも少なくありません。
とくに役員によるお金の動きは、身内でもわずかな人数しか把握しておらず、相続の発生後に蓋を開けると混乱が待ち受けていることも多いのです。相続税はまさに、備えあれば憂いなしであり、生前の段階から家族が理解を深めて準備を整えていくことが理想です。安全な相続税対策がたくさんあるため、税のプロである税理士に相談を重ねながら準備をしましょう。
まとめ
今回は家族に負担をかけず、相続税の節約をするにはどうするべきか詳しく解説を行いました。未来のお子さんやお孫様、大切なパートナーの方にできることを、今から始めてみませんか。独断で準備をしてしまい思わぬトラブルを招いてしまう、というリスクを減らすためにも相続や相続税対策は早めに税理士へ相談しましょう。