相続準備を整えて賢い終活をしよう!税理士を頼るメリットとは
誰かが亡くなったあと、その遺産を巡って親族が争うことは珍しくありません。金額の多い少ないにかかわらず、相続争いによって親族が決別してしまうこともあるのです。そうならないためにも、事前に終活として相続準備を整えておくことが大切です。そこで今回は、相続準備をする際に税理士に頼ることのメリットを解説します。
生前に相続の準備を進めるべき理由
生前から相続の準備を進めておくことにより、いざ亡くなった時に親族同士が争う事態を回避できること以外にもいくつかのメリットがあります。
税金面での優遇
相続準備の1つとして、生前に配偶者や子どもにあらかじめ財産を贈与しておく「生前贈与」というものがあることを知っていますか?財産の贈与には通常贈与税という税金が課されますが、非課税枠を上手に利用することで税金を課されずに財産を分け与えることができます。
具体的には、両親や祖父母から30歳未満の子どもや孫へ教育費と終活して生前贈与する場合、1,500万円までは非課税です。また、配偶者への生前贈与は2,000万円までは控除があり非課税となります。孫や子が住宅を購入する際に両親や祖父母から援助を受けることも多いですが、この場合も贈与を受けた人ごとに、省エネ住宅の場合は1,000万円まで、そうでない場合にも500万円までが非課税となります。
さらに、20歳以上の子どもや孫へ生前贈与する場合は、2,500万円までが非課税となり、実際に亡くなって相続する際には生前贈与された分を含めた相続額に相当する相続税を支払うという、相続時精算課税制度というものもあります。
いずれの制度もいくつかの決まりがあり、たとえば配偶者控除は夫婦になってから20年以上の期間がたっていること、教育資金目的の贈与の場合は現金ではなく相続者の名義で作った銀行口座に入金する必要があるなど、注意が必要です。
贈与する相手を自分で決めることができる
生前に自分の財産を何も整理せずに亡くなってしまうと、自分の意思に反した相続になってしまうこともあります。有効な遺言も残さず、生前贈与もしていない場合は、亡くなったあとに法定相続人のあいだで分割して相続されることになるので、もし特定の人に多く相続させたい場合や、自分で分割の割合を決めておきたい場合はとくに生前贈与しておく必要があります。
贈与する時期を選べる
普通の相続の場合、その人が亡くなったあとに財産を分けることになるので、当然ですが亡くなるまで相続人は財産を手にできません。しかし生前贈与の場合には、相続人が必要な時に被相続人の意向で贈与できるのです。たとえば孫の大学入学資金や、子どもの住宅資金など、お金が必要なライフイベントのタイミングで贈与することもできるということになります。
相続時に税理士に相談・依頼するメリットとは
とはいえ、個人で相続に関することを取り仕切るにはさまざまな知識が必要です。まず現金以外の生命保険や住宅や株式証券などのすべての財産を把握することから始めなければいけませんし、法律にのっとってそれらを分割していくのは大変なことです。
無知ゆえに余計な税金がかかってしまうこともありえます。そこでおすすめなのが税金の専門家である税理士に相談することです。税理士に相談することで以下のようなメリットがあります。
円満に相続できることが多い
素人だけで相続に関することを行う場合、どんなに仲がいい家族でもお金が絡むことでトラブルになってしまうことも少なくありません。その点、税理士に相談・依頼すれば、相続する財産や状況を客観的に見てもらえることになるので、全員が納得しやすい結果におさまることが多いのです。
家族だけで話し合っていると、どうしても感情が先に立ってしまいがちです。税理士は感情で相続を考えるのではなく、相続の事案にだけ関与するので、よい意味でシビアに状況を判断してもらうことができます。実際、同じことをいわれるのでも、トラブルの相手にいわれるのと中立の立場の人にいわれるのとでは心に響く度合いが全然違いますよね。
手間が省ける
相続手続きにはさまざまな手続きが必要です。不動産の名義変更を初め、戸籍の収集や税金の手続きなど、たくさんの手間がかかります。これらを知識のない人がするのは大変なことです。その点、税理士に依頼することで手間を省くことができます。税理士に依頼する分のコストがかかっても、これはかなり大きなメリットといえます。
相続の相談は専門の税理士に相談しましょう
税理士に相続の相談をすることで、適切な節税を行い、なおかつ専門知識をもとに無駄のない処理をしてもらうことができます。
自分で相続に関する手続きを行えば、たしかに税理士の依頼にかかるコストは削減できますが、納めるべき税金を納めずに追徴課税になったり、書類の作成で時間と手間がかかったりとデメリットもたくさんありますよね。それなら税理士に依頼して円満に相続したほうがスッキリするのではないでしょうか。
まとめ
大切な人が亡くなったあと、すぐに相続に関する手続きに取り掛かるのは心身ともに大変なことです。生前贈与を行うことで、残された家族の手間を軽くしたり、トラブルを回避することにもつながります。また、専門家である税理士に相談することでさまざまな手続きを代理で行ってもらうことができるため安心です。自分のため、何より家族のためにも、生前贈与や税理士への依頼を今から検討してみましょう。