相続財産を把握しよう!土地や建物の評価方法・価値について
相続対策を考える際に、一番気になるのが「相続税はいくらになるのか」ということではないでしょうか。相続財産の中で比較的大きな割合を占める土地や建物の評価額を知っておけば、おおよその相続税を計算できます。今回は、土地・建物の評価方法や計算の仕方について紹介するので、相続財産を把握したい方はぜひ参考にしてください。
土地や建物の評価方法とは
まずは、土地と建物それぞれの評価方法について説明します。土地の評価額は「路線価方式」「倍率方式」の2種類により、建物の評価額は固定資産税評価額により決定されています。
市街地は「路線価方式」
市街地には、主要な道路に面した1平方メートル当たりの土地価格を示す「路線価」というものが国税庁によって設定されています。宅地の評価額は、所有している土地の面積にこの路線価を掛けて算出され、土地の形状や利用状況などの細かい調整を行ったうえで確定されます。
市街地以外は「倍率方式」
路線価の定められていない市街地以外の地域の土地は「倍率方式」によって評価されます。倍率方式とは、固定資産税評価額に国税庁が定めた一定の倍率を掛けて相続税評価額を算出する方法です。
建物の評価方法
建物の評価額は固定資産税評価額によって算出されます。たとえば、自宅建物の評価額は「固定資産税評価額×1.0」、アパートなどの貸家の評価額なら「固定資産税評価額×(1-0.3)」で算出されるというように、建物の利用状況によって変わってきます。
申告と納税の方法
次に、相続税の申告と納税の方法について見ていきましょう。相続税の申告と納付には期限が設けられていますが、期限までに納付できない場合は延納制度や物納制度も利用できます。
相続税の申告と納付には期限がある
相続税は、相続の開始があったことを知った日、つまり被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内に、被相続人の住所地の税務署に申告、納付しなければなりません。
突然親族が亡くなって相続が発生した場合、葬儀や法要などで慌ただしく、心労もある中で相続の手続きも進めなければならないので大変ですが、相続税の申告と納付に期限があることは頭に入れておく必要があるでしょう。
延納や物納も申請できる
突然の不幸で相続が発生した場合など、期限までに納税できる準備が整わないこともあるかもしれません。そういった場合には、事前に申請することで延納や物納ができる制度があるため、覚えておくとよいでしょう。
相続税額が10万円以上で、納付期限までに金銭で納付することが難しい場合は、延納申請をすれば年賦払いによる方法で納税できます。延納制度を利用する場合は、利子がかかるほか、原則として担保が必要となる点に注意しましょう。
延納によっても金銭で納付することが困難な場合は、金銭ではなく相続した財産で納める物納を申請することもできます。ただし、物納的確財産であるなど、一定の要件を満たした財産でなければなりません。延納や物納を申請する場合は、納付期限までに所轄税務署に申請書と関係書類を提出し、許可を得る必要があります。
財産を正しく知ることが相続対策の一歩
まずは相続財産を把握することが相続対策の第一歩となります。とくに、相続財産において割合の大きい土地や建物の評価額を知っておくことが重要ですが、土地や建物の評価に必要な情報は自分でも簡単に調べることができるので、一度確認してみてはいかがでしょうか。
路線価や評価倍率は国税庁ホームページで
さきほど紹介した土地の評価に必要な「路線価」や「評価倍率」は、毎年7月頃に国税庁から発表されるため、国税庁のホームページで確認できます。
土地の形状や利用状況によって微調整が入るので正確な評価額が算出できるわけではありませんが、おおよその土地評価を把握するには充分だといえるでしょう。路線価や評価倍率は、最寄りの税務署などでも知ることができます。
「固定資産納税通知書」もしっかりチェック
建物の固定資産税評価額は、毎年4月頃にそれぞれの市町村から発送される「固定資産納税通知書」に記載されているので、簡単に確認できます。
そのほかにも、建物の住所がある市町村の役所で固定資産課税台帳を閲覧したり、固定資産評価証明書を取り寄せたりする方法で固定資産評価額を調べることができます。
まとめ
一見難しそうな固定資産の評価ですが、自分でもおおよその価格を調べることは可能です。一度調べてみて、自分のケースではどのくらいの相続税がかかるのか把握しておくとよいでしょう。そのうえで、より具体的に節税や生前対策を検討する場合は、専門家に相談するのがおすすめです。
相続に特化した税理士事務所や、生前対策のプランが充実している税理士事務所も多数存在します。ほとんどの税理士事務所で初回の相談を無料で受け付けているので、まずは気軽に相談してみてはいかがでしょうか。